〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

日記で知る啄木の心 生誕130年 函館市文学館で企画展 4/10〜10/4

  • 函館ゆかりの詩人で歌人石川啄木が生まれて、今年で130年。記念の特別企画展示「函館に守り遺(のこ)されてきた啄木日記」が函館市文学館で始まり、啄木が亡くなる2カ月前までおよそ10年間にわたって書いた貴重な日記を紹介している。
  • 啄木は日記を「自分が死んだら燃やすように」と言い残していたが、節子夫人や友人らが保存に動き、盗難や焼失からも免れ、函館市中央図書館の啄木文庫で日記帳13冊を収蔵している。
  • 日記は、紙やインクの劣化が進んでいるといい、同文学館の福原至館長は「すべての日記を展示する機会はこれが最後になる見通し。ぜひ実物を見て、直筆の文字から啄木の揺れる心を感じ取ってもらいたい」と話す。
  • 13日の法要「啄木忌」は函館啄木会の主催で、市内住吉町の東海山地蔵堂で開かれ、愛好者や文学関係者らが集まった。啄木の位牌(いはい)に焼香し、また近くの立待岬で「石川啄木一族の墓」に手を合わせた。地蔵堂では、市内の医師で文筆活動もしている水関清さんが講演。「啄木の診断書」と題し、肺結核で亡くなったとされる啄木の病の経過を、日記や私信をもとに医学的に解説した。(内田晶子)

(2016-04-18 北海道新聞

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