〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

石川啄木 <赤紙の表紙手擦れし国禁の書…>は その先駆け


[マツヨイグサ]


<凡語>  京都新聞

社会詠

  • 生活の場の社会批判や認識を詠み込んだ短歌や俳句を「社会詠」と呼ぶ。石川啄木の<赤紙の表紙手擦れし国禁の書(ふみ)を行李(かうり)の底にさがす日>などはその先駆けとされる。
  • 9月下旬、京都市内で歌人らが緊急シンポジウムを開いた。戦前戦中の短歌を検証してきた三枝※之(たかゆき)さんは、検閲の跡を露出することで、ブレーキをかけたとみる。そして権力者の検閲より怖いのが「自主規制」だと説いた。
  • 永田和宏さんは、伏せ字も怖いが自主規制によって言論人に執筆依頼がなくなることがもっと怖いと語った。永田さんは<権力はほんとに怖いだがしかし怖いのは隣人なり互ひを見張る>と詠む。

(2015-10-04 京都新聞


  [注:三枝※之(さいぐさたかゆき)  ※は「昴」の「卯」の左側が「工」]


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