[スイカズラ]
<仙台いやすこ歩き>
(15)ラムネ/清涼感心まで透明に
- 夏はラムネの季節だと思っている。そして、「ラムネ」と聞くと、必ず思い出す短歌がある。<うすみどり 飲めば身体が水のごと透きとほるてふ 薬はなきか>。石川啄木の歌だ。
- 初めてこの歌に出会った時、即座に「ラムネだ!」と思った。「うすみどり」「水」「透きとほる」というキーワードから、緑色のガラス瓶に入ったラムネを想起したのはもちろんだが、何よりあの爽やかな香りと炭酸飲料独特のシュワシュワした飲み心地が、心までも透明にしてくれる薬のように思えたのだ。
- 以来ラムネは、啄木の歌のリリカルな印象と相まって特別な飲み物と位置づけられている。
○おぼえがき/名称「レモネード」が転訛
「ラムネ」という名称は、レモン風味のソーダ水「レモネード」が転訛(てんか)したもの。
(2015-06-29 河北新報)
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