〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

月9ドラマ“高等遊民” 啄木は『無駄話を事業として生活している人』を遊民と呼んだ


[ツバキ]


月9ドラマで注目される「高等遊民」早くも流行語大賞見えた?

  • 杏と長谷川博己の共演で話題のフジテレビ系の月9ドラマ「デート〜恋とはどんなものかしら〜」が今クールの連続ドラマで視聴率トップのスタートを切った。恋愛力ゼロの男女のラブコメディーで、超合理主義理系女子を演じる杏に対し、長谷川演じる「自称・高等遊民」が注目を集めている。
  • 高等遊民とは、主に明治から昭和初期に使われ、夏目漱石ボキャブラリーにした言葉だとされる。「大学などの高等教育を受け卒業したのに、経済的に不自由がないため、就職もせず、毎日読書などをして楽しむ人。漱石作品では『それから』の長井代助、『こころ』の先生、川端康成の『雪国』の主人公もそうです。石川啄木は『無駄話を事業として生活している人』を遊民と呼んだ。太宰治豪農の息子で、リアル高等遊民の最たる人物かもしれないですね」とは某文学研究者だ。
  • 一方、すっかり定着したニートは高学歴とは直接関係がない。高等遊民は裕福なので物欲がなく、出世や金儲けはゲスで、精神性を重要視する。世知辛い現代には貴重な存在だ。ドラマでは母親に寄生する長谷川が「俺はニートじゃなく高等遊民だ」と言うところにコメディーの要素が含まれているが、昨今の社会状況を反映し「流行語大賞になる可能性もある」との声も出ている。

(2015-02-08 東スポ

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