〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

啄木は気になる存在「風土計」-岩手日報-

  • 「花冷え」とは、桜が咲くころ寒さが戻ることをいう。今年の県内は咲くのが早めで、散った後に寒さが戻った。北海道には初夏の時季の「リラ冷え」がある。渡辺淳一さんの小説「リラ冷えの街」により定着した。故郷にそんな時季が近づくころ、渡辺さんが別れを告げた。
  • 「一夜あけると、蒼(あお)かった海は、白い氷の海に変貌している」(「流氷への旅」)。「雪の溶ける音以外、あたりには音はなにもなかった」(「阿寒に果つ」)。描写に引かれ「渡辺文学の旅」に出た人もいることだろう。
  • 短歌を作った高校時代から石川啄木が気になる存在といい、2年前の講演でも啄木の歌をいくつもそらんじた。北の地が育んだ感性に通じ合うものがあったのかもしれない。

(2014-05-10 岩手日報