〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「石川啄木セット」かわいらしい啄木


[ミモザ]


 文化庁月報 平成26年1月号(No.544)
  連載「いきいきミュージアム 〜エデュケーションの視点から〜」
文学館はむずかしい!?
      山梨県立文学館 主任教育主事 古川順子

  • なぜ,「文学館はむずかしそう・・・」なのでしょうか?
  • それは,展示で紹介される作家のことや本のことを,ある程度読んで知っていなければ,それらがちっとも面白く感じられないからです。

◎文学はむずかしくない!

  • 「文学館はそんなに難しいところじゃないよ!」「文学は楽しいよ!」というメッセージとともに,多くの学校の児童・生徒のもとへ文学館の展示を届けたいと考え,「移動文学館」を始めました。
  • 「移動文学館」の第1弾は「石川啄木セット」。平成24年度の春の企画展の内容をパネル3枚にまとめ,小柄でかわいらしかったという啄木に触れてもらうために,等身大パネルも作りました。10首の短歌パネルを用意し,好きな歌へ投票することができる参加型展示も試みました。

◎啄木セットの展開

  • 啄木の短歌は小中高校のどの教科書にも取り上げられていることから,特に中学校では歓迎され,国語の授業や図書集会などで啄木セットを使ってもらえる例が出てきました。
  • 先生たちからは「啄木さん(等身大パネル)が来てびっくりしたけど,生徒がいろんな発見をすることができて親しみが持てた」とか,「授業で活用できたのは今までにない試みでよかった」などの御意見を頂くとともに,生徒さんたちの「かわいい!」とか「ちっちゃい!!」と言ったダイレクトな反応には,私たちも励まされました。