[ヒサカキ]
[滴一滴] 山陽新聞
- 心ならずもふるさとを追われた石川啄木は数多く望郷の歌を残している。〈やはらかに柳あをめる/北上の岸辺目に見ゆ/泣けとごとくに〉(「一握の砂」)
- まぶたに浮かぶ風景のあふれんばかりの懐かしさに、漂泊の歌人はどれほど傷ついた心を癒やしたろう。時代が戦後の高度成長期になっても、都会に出た多くの若者は同じ郷愁を感じたに違いない
- 本紙で連載「帰りなん、いざ 人口減社会をひらく」が始まった。地方に残る豊かさが見直されている。伝える地域の未来はどんな姿なのだろう。
(2014-01-22 山陽新聞)