2013-09-10 ふるさとの訛(なまり)なくせし友といてモカ珈琲は… 寺山修司 啄木 広場 [ヨメナ] 河北抄 <ふるさとの訛(なまり)なくせし友といてモカ珈琲はかくまでにがし>。若い頃の寺山修司の歌だ。お気づきの方もいよう。石川啄木の<ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく>の本歌取りである。 啄木の優れた表現を切り貼りした短歌ではない。東京弁を話す友人への冷ややかな思いを詠むことで、古里への郷愁をにじませている。啄木の歌を見事に反転させている。 (2013-09-10 河北新報>河北抄)