〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

呼吸すれば 胸の中にて鳴る音あり…。啄木歌碑再び



[ヒメシャガ]


石川啄木「終焉の地」に歌碑再び 東京・文京区が再建へ

  • 歌人石川啄木が息を引き取った「終焉の地」が、東京都文京区の住宅街にある。敷地の売却に伴い、ファンが大切にしてきた石碑が撤去されてから5年。彼らの強い要望を受け、区は高齢者施設と一緒に整備するという案を講じ、再建に乗り出した。
  • 「呼吸(いき)すれば 胸の中にて鳴る音あり 凩(こがらし)よりも さびしきその音」「眼閉づれど 心にうかぶ何もなし さびしくもまた眼をあけるかな」――。啄木が結核を患って引っ越した文京区小石川5丁目の借家で、最後につくったとされる2首だ。死後、ノートに挟まっていたメモ書きが発見された。
  • 国際啄木学会評議員の山田武秋さんは「病状が悪化し、創作意欲も衰えるなかで、啄木はここで望郷の念を募らせていった」と話す。啄木ファンにとって盛岡市の生誕地などに並ぶ「特別な場所」という。【市川美亜子】

(2013-05-13 朝日新聞