〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

しんとして幅廣き街の 秋の夜の… 啄木


[空]


 京都新聞 凡語 
トウモロコシの秋 

  • あるときは焼き肉の網の上に、スープにサラダに。あるいは飼料として牛に与え、絞って油に、粉にして麺や菓子にもなる。トウモロコシほど変幻自在な穀物、野菜はない。札幌市の大通公園で今の季節、とうきびワゴンが風物詩となる。
  • < しんとして幅廣(ひろ)き街の 秋の夜の 玉蜀黍(とうもろこし)の焼くるにほひよ >。石川啄木は1907(明治40)年、こう詠んでいる。ワゴンは今年も店開きして、しょうゆ味のタレが焦げる香りが訪れる人々を引き寄せているそうだ。

(2012-08-29 京都新聞