- 温厚な役柄から冷徹な悪役まで幅広い演技に定評のある俳優の段田安則が、井上ひさし作の「泣き虫なまいき石川啄木」で2度目の舞台演出を手がけている。
- 主人公は不遇のまま早世した歌人、石川啄木(稲垣吾郎)。本名の一(はじめ)で物語は進行する。一から「日記を焼き捨てろ」と遺言を託された妻の節子(貫地谷しほり)が、その日記を読み始める。赤貧や病魔、家族との確執に苦悩する一の本音が刻まれながらも、母のカツ(渡辺えり)、妹の光子(西尾まり)、親友の金田一京助(鈴木浩介)、そして父の一禎(いってい、段田)との最後の3年間がユーモアを交えて描かれる。
- 妻の浮気疑惑や嫁姑問題などが赤裸々につづられている。「井上さんの実生活が色濃く反映され、ちゃんと作品に昇華された啄木ができあがっているのは、さすがにものを描く人の力だなと思います」と称える。
(2011-10-12 産経ニュース)