〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

氷は冬の物である…石川啄木

[ネグンドカエデ ‘フラミンゴ’]<歴史上の人物と和菓子>とらや
 石川啄木とかき氷

  • 明治42年の夏、「函館日日新聞」に連載した文章には、当時住んでいた東京・本郷の氷屋が登場します。
  • ある日、啄木が2階の窓から外を眺めていると、「氷屋の旗(フラフ)」が目にとまります。
  • その旗を眺めていた啄木の考えは段々と壮大な方向へと進んでいきます。 「氷は冬の物である。それを夏になつてから食ふとは面白い事である」が、自然は「その愛する処の万象を生育させんが為」に時に夏の暑さを与えるのだから、自然界の一生物に過ぎない人類は、おとなしく服従すべきであるのに、氷を食べて暑さを和らげようとするのは「自然に対して反逆してゐる」。……
  • かき氷に手厳しい啄木ですが、日記を見ると度々、氷を食べたとの記述が・・・・・・。理屈をこねながらも、夏ならではの味わいをしっかり愉しんでいたようです。