〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

龍馬ー兆民ー秋水ー啄木!


[ヒメリンゴ]


啄木は龍馬の四代目 近藤典彦
  『一握の砂』100年

  • 日露戦争後の日本で経済恐慌が始まった。1910年はもっとも暗い年だった。大逆事件韓国併合。この2大事件の真の犯人は、時の国家権力=強権である、と認識し鋭く深く批判したのが石川啄木だった。今年は2大事件の100周年である。
  • 啄木は大逆事件を徹底的に調べる中で、幸徳秋水への尊敬の念を深めていった。そして秋水の思想と実践を批判的に継承し、秋水の正統を継ぐ人となった。
  • 秋水は中江兆民を継ぎ、兆民は坂本龍馬を継いだ。だとするとここに不思議な系譜ができる。龍馬ー兆民ー秋水ー啄木!
  • 最近、大江健三郎さんがこう語りかけられた。「『蟹工船』を熱中して読んだ若い人たちに、続けて啄木を読んでいただきたいとねがいます」
  • 啄木を読もうとする若い人たちにまず歌集『一握の砂』をお薦めしたい。困難な時代を生きる青年のあらゆる心の姿がそこにある。

(2010-04-25 しんぶん赤旗 本と話題)