〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

刊行100年「一握の砂」心にしみる啄木の歌


アブラナ


特集ワイド
  刊行100年「一握の砂」時代超え、心にしみる啄木の歌

  • 石川啄木の歌集「一握の砂」が出版されたのは1910年のことだった。いまなお啄木の歌が心にしみるのはなぜだろう?【鈴木琢磨
    • バレンタインデーにバーのマダムからチョコレートをもらった。むろん義理で。手紙には「一握の砂」が刊行100年になるとあった。そして啄木の歌が添えられていた。

  はたらけど はたらけど猶わが生活楽にならざり ぢつと手を見る

      • 「啄木は20代で亡くなったでしょ。尾崎豊さんと同じ年くらい。短歌って若さが輝くジャンル」
      • 「いまも啄木はたくさんいます。高学歴フリーター歌人って多いんです。啄木は朝日新聞社に勤められたけど、それは時代背景の違いでイメージは同じ」

  一度でも我に頭を下げさせし 人みな死ねと いのりてしこと

      • 「この歌、すごく人気あるんです。啄木に興味のない若者でも、これ何だって反応する。いまどきの若者の心情と重なるんですね」
      • 石川くんへ

  一握の砂は百年落ち続け 敵も味方も 全員死んで

      • 「こんな短歌を詠んでみました。いろんなことがあるけど、100年たてば、みんな死んじゃうんだから。そう思えば、生きられるでしょ」

(2010-03-03 毎日新聞>エンターテインメント>芸術・文化)