【シダレウメ】
“うたをよむ”
「勤め人」をうたった啄木 ---三枝昂之(歌人)
朝日新聞 歌壇俳壇
家にかへる時間となるを、
ただ一つの待つことにして、
今日も働けり。
『悲しき玩具』
こみ合へる電車の隅に
ちぢこまる
ゆふべゆふべの我のいとしさ
『一握の砂』
- 歌は通勤帰りの自分をスケッチしている。「ちぢこまる」には日々の仕事をなんとかこなす勤め人の健気さと小さな自愛がある。
(2010-02-01 朝日新聞 歌壇・俳壇)