〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「啄木の母方の祖先が高知に」【熊谷】名乗る侍--中


ハナショウブ


「『熊谷』名乗る侍:支局長からの手紙 中」高知

  • 高知市民図書館で、「長宗我部地檢帳」のうち、「幡多郡中」の巻を借りました。探していたページにはこうあります。「一ゝ壱段 出弐十八代勺上ヤシキ 内四十代四歩勺田 熊谷藤次良給 主居」
  • 石川啄木の母の祖先が住んでいたとされるのは「音崎村」です。地検帳の解説によると、藤次良が住む中村郷は近世では「中村、宇山村、不破村、津ノ崎村」に当たります。津崎のページに藤次良の名前があったのです。津崎に1反18代4歩勺(1363平方メートル)の「下々畠」を持っていました。
  • 系譜によると、熊谷直実のひ孫が高知に移り住み、19代あとの熊谷六郎直常が正保2(1645)年、八幡宮のお告げに従い音崎村を離れ、京都の東本願寺で出家したとされます。
  • 「藤次良」の給地を1ページ1ページ探しました。地検帳の本のなかに次から次へと見つかるではないですか。少なくとも35カ所、計3町6反(3.6ヘクタール弱)以上になります。四万十川下流の要所に土地を持っており、最上級武士と言っても間違いない」。
  • 「衆一覧」に名前があった「熊谷伊豆守」は、森沢村でようやく見つけました。そして「今ハ藤二(=次)良」のただし書き。
  • 核心に近づいている予感はありますが、・・・。
      • 14日につづく【高知支局長・大澤重人】

(2009-06-09 毎日新聞>地域ニュース>高知)