〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

『忘れな草 啄木の女性たち』山下 多恵子

忘れな草 啄木の女性たち』山下 多恵子 著 未知谷 版
2006年09月05日 発行 2,400円+税 

Vergiss mein nicht(フェルギス・マイン・ニヒト)とは「我を忘るな」の意のドイツ語である。明治四十三年の創作ノートに、啄木は上手な筆記体でこの文字を書き、その下に、彼が出会った女性たちの名前を土地別に書き連ねている。この語はまた「忘れな草」も意味する。啄木の人生を彩った女性たちを、啄木の「忘れな草」たちを、書いていきたい。


第一部  啄木の女性たち
橘智恵子 小奴 与謝野晶子 堀合ふき子(節子の妹) 三浦光子(妹) 山本トラ(姉) 石川カツ(母) 石川節子(妻)・・・・
第二部  節子に聞く

第一部の節子を書いていたら、節子に会いたくなった。会って、聞いてみたかった。というより、聞いてあげたかった。胸のうちを。だれにも心を言えずに逝ってしまった彼女の、胸に渦巻く思いのたけを。
薄倖の人生と引き換えのように「啄木の妻」としての名を残した石川節子にインタビューを試みた。もとより架空のものではあるが、虚構といってしまうにはあまりに近くまで節子がやってきたように感じている。

本家「啄木の息」での紹介→「忘れな草 啄木の女性たち」