〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

〈やはらかに柳あをめる北上の……〉啄木の歌に誘われ

ナツツバキ

風鈴の啄木の詩が風誘ふ(高橋千恵)

 昔、岩手を旅行し南部鉄器の風鈴を買った。

 風鈴の内側に舌(ぜつ)を下げ啄木の〈やはらかに柳あをめる北上の岸辺目に見ゆ泣けとごとくに〉が揺れていた。啄木の歌に、風と共に誘われた。
 『青森県句集』第33集より。

(2023-06-17 陸奥新報

 

  風鈴の啄木の詩が風誘ふ(高橋千恵) by 陸奥新報