〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

 石川啄木って天才だったのだなぁ

うたの泉(633)
  何となく汽車に乗りたく思ひしのみ 汽車を下りしに ゆくところなし
 石川啄木(いしかわ・たくぼく)(1886〜1912年)

  • 石川啄木って天才だったのだなぁ、と読むたびに思います。楽しいこともなく、繰り返される毎日。ああ、どこかに行ってしまいたいなぁ、と思う。行かずに我慢する人が大半ですが、フラっと出かけてしまう。けれども結局、行くべき場所なんてなかったという意味のない一首なのです。なのに、読者の心に食いこんでくるのです。(駒田晶子)

(2018-05-17 河北新報


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