- 漂泊の歌人、石川啄木と理想郷イーハトーブを夢見た宮沢賢治。同じ中学出身、故郷の岩手に根ざした作品を多く書き、短い生涯の後に評価が高まり、今も絶大な人気を誇るなど、共通点の多い2人です。投稿数では賢治が圧倒的ですが、読者の熱は互角です。
◎石川啄木…次の一歩へ 勇気くれる
かの時に言ひそびれたる
大切の言葉は今も
胸にのこれど
「私にとって珠玉の1首。おもいを秘めたまま、折につけ、ふと思い出す歌」(千葉県鎌ヶ谷市)。
函館の青柳町こそかなしけれ
友の恋歌
矢ぐるまの花
「言葉からもリズムからも、短歌は青春のものであると教えてくれる。啄木の短い生涯と対応している」(神奈川県横浜市)
「時代閉塞の現状」
「もっと生きたら、歌人の名声以上に、反骨の言論人として後世に名を残したのでは」(広島県広島市)
◎宮沢賢治…壮大 他者へのまなざし
「虔十公園林」
「人生の本当の価値とは何かを考えさせてくれる。特に子供さんに読んでもらいたい」((茨城県神栖市)
『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』
「時間的、空間的スケールの壮大さ、他者へのまなざしの2点で、賢治に引かれる」(大阪府熊取町)
(史)
(2016-09-07 読売新聞)