◎明治時代、二風谷に図書館があった
〇アイヌコタン初めての図書館
- 正式名称は、旧二風谷青年会図書館(北海道沙流郡平取町二風谷28)。1911(明治44)年に建てられた。現在は外観しか見ることはできない。函館では1907(明治40)年に岡田健蔵が自宅店舗内で起ち上げた私立図書室が、市立函館図書館の基礎となっている。
〇“アイヌの啄木”と呼ばれた歌人 違星北斗(1901年〜 1929年)
- 二風谷小学校の前庭に、アイヌ歌人・違星北斗(いぼし・ほくと)の歌碑がある。その書は言語学者の金田一京助、デザインは建築家の田上義也、なんと贅沢な歌碑だろう。
- 生活の苦しみを歌った口語短歌をよく詠み、若くしてこの世を去ったこともあり、放浪の歌人・並木凡平からも「アイヌの啄木」と愛された。
沙流川は 昨日の雨で 水濁り コタンの昔 囁きつつ行く
平取に 浴場一つ ほしいもの 金があったら 建てたいものを
〇アイヌの口承文芸を世に広めた金田一京助(1882年〜1971年)
- 金田一京助は、貧乏学士時代、同じ下宿に石川啄木がおり、部屋代や食費も京助が面倒をみていたほどの仲だった。東京帝国大学時代、樺太アイヌの聞き取り調査を行ったのがアイヌ語研究の始まり。沙流川流域のアイヌから数多くの口承文芸を筆録し、アイヌ言語学者として生涯研究を続けた。
(2016-04-20 平取町 まちぶらNAVI)
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