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31音にこめられた言葉の結晶 現代を生きる歌人たちがつむぎだす短歌
- 以前、「職業・女優」というキャッチコピーがありました。確か、確定申告のポスターだったと思います。女優は舞台や映画に出演し、お芝居をすることで生活をしています。また、小説家は物語を書き、漫画家は絵を描き、ストーリーを練るのが生業(なりわい)です。
- ところが歌人は、短歌をつくるだけでは生活はできません。そのため歌人のプロになっても、皆それぞれに仕事を持っています。だからこそ、創作としてつくりあげるのではない、現場の、臨場感あふれる職場うたが生まれるのです。
21世紀の啄木たち
- 「たぶん親の収入超せない僕たちが ペットボトルを補充してゆく」(山田航「さよならハグ・チルドレン」)
近年は、非正規雇用が急増。…とくに男性にとって、結婚にふみきるのも度胸がいるのでしょう。21世紀の啄木ともいえる作品です。
- 「どんなにうまく傘をさしても容赦なく スーツを濡らす雨の散弾」(鈴木加成太「短歌」)
スニーカーを履いて通学していた青年が、春からは革靴でどんな会社に通勤することになるのでしょうか。あたらしい環境でもまれながらつむぎだす言葉の結晶に、これからも注目したいですね。(有朋 さやか)
(2016-01-21 Exciteニュース>ウーマンエキサイト)
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