〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「地図の上 朝鮮国にくろぐろと…」石川啄木


[ニシキギ]


潮流 -しんぶん赤旗-

  • 山に遊びにきた3人の男の子が、もっと仲良しになろうと、それぞれに国の名前を付けて同盟しようといいだします。そして、仲間を増やして世界同盟をやろうと皆に声をかけます。いじわるも、いばりっこもなし。対等につきあい、同じ権利で参加できる同盟です。戦前の児童雑誌に発表された北川千代の童話「世界同盟」です。
  • 掲載時に削られましたが、1人ずつに付けた国名に千代は「朝鮮」を登場させます。当時、石川啄木が「地図の上 朝鮮国にくろぐろと 墨をぬりつゝ 秋風を聴く」と詠んだように朝鮮は日本の植民地でした。
  • 「啄木のさびしさに寄り添う心情と差別のない社会・国際社会を求めた『世界同盟』の理想主義との合一」。昨年亡くなった児童文学者の古田足(たる)日(ひ)さんが紹介しています。日常にある差別や偏見を見過ごさないで、との呼びかけです。

(2015-11-21 しんぶん赤旗

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