〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

啄木の心「文学と家族。どちらも捨てることができない」


[アオキ (肉球?)]


〈体感思観〉 啄木の心、尽きぬ憧れ
  編集局 藤澤則子

  • 「啄木は何度も挫折し苦しみ、そのたびに大人になった。真面目に一生懸命生きた人」。本県出身の詩人石川啄木の命日にあたる13日、盛岡市・宝徳寺で営まれた第104回啄木忌法要・講話で、国際啄木学会理事の山下多恵子さんは、そう啄木をしのんだ。
  • 「啄木と宮崎郁雨」の演題で講話した山下さんは、啄木が書いたローマ字日記の一文を紹介。「泣きたい!真に泣きたい! 『断然文学を止めよう。』と一人で言ってみた。 『止めて、どうする?何をする?』 『Death(死)』と答えるほかはないのだ。」(本文ローマ字)
  • 「文学と家族。啄木はそのどちらも捨てることができない。啄木はこう考える。自分はなぜ親や妻や子のために束縛されなければならないのか、親や妻や子はなぜ自分の犠牲にならなくてはいけないのか」。
  • 没後103年。啄木が苦悩した時代は過去のものになったが、さまざまな選択肢がある今だからこそ、男女問わず二つ以上の問題を抱えて悩んでいる人は少なくない。啄木の姿に自分自身を重ねる人もいるかと思う。

(2015-04-18 盛岡タイムス)

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