〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

啄木の魅力、生きざま紹介

山梨県立文学館 没後100年で企画展

  • 没後100年を迎え、なお読み継がれる明治の歌人・詩人、石川啄木の魅力、生きざまに迫る企画展「石川啄木 愛と悲しみの歌」が甲府市貢川の県立文学館で開かれている。《ふるさとの山に向(むか)ひて言ふことなし ふるさとの山はありがたきかな》《ふるさとの訛(なまり)なつかし停車場の−》。誰もが一度は口ずさんだだろう啄木の作品、生涯をつまびらかに紹介している。
  • 展示されているのは、中学時代の先輩で言語学者金田一京助に贈った献辞入りの詩集『あこがれ』、など貴重な資料約180点。啄木は『あこがれ』で森鴎外らから「天才詩人」という評価を受けた。
  • 県立文学館の中野和子学芸員は「100年たっても名が知られている文学者は限られる。技巧に凝らず、生活になじんだ表現法の作品は愛唱しやすく、文学や短歌に興味のない人も親しめる」と、啄木の魅力を話している。

 6月24日まで。
(2012-05-31 産経ニュース)