〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

夭折の詩人・石川啄木の北海道漂泊の足跡 出版


[カンヒザクラ(寒緋桜)]


 <BOOKほっかいどう>
『啄木を支えた北の大地 - 北海道の三五六日』
 長浜功 著 社会評論社・2,835円 2012年2月発行

  • 今年は石川啄木没後100年。夭折の詩人の北海道漂泊の足跡をたどり、啄木にとっての北海道の意味を解き明かそうとした本だ。
  • 岩手県生まれの啄木は10代から短歌の才能を現し文学を志すが、家庭の困窮などが理由で函館に渡り、代用教員や新聞記者をしながら札幌、小樽、釧路とほぼ1年間を道内で暮らした。
  • 著者は、啄木の日記や手紙、評伝などをもとに、それぞれの滞在地での生活や仕事ぶり、終生の友を得た函館の苜蓿社の仲間をはじめとする人々との交流、また有名な釧路での派手な芸妓遊びやいくつもの“ロマンス”を描き出す。
  • 著者は、啄木は北海道で言葉に尽くせぬ収穫を得たはずだと指摘する。

(2012-03-30 朝日新聞>マイタウン>北海道)