〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

『啄木日記を読む』書評/山下多恵子


等身大の姿から伝わる魅力

  • 啄木は16歳で日記を書き始めてより、26歳で亡くなるまでの10年間に13冊の日記を残した。本書はそれらをつぶさに読み解き、その魅力を伝えたものである。平易な文章・語りかけるような文体は、啄木の生きた姿をひとりでも多くの人に知らせたい、という思いの表れであろうか。
  • 池田功氏は上越市吉川区出身。明治大学教授。国際啄木学会副会長。
  • 啄木のすべての作品を深く読み込んだ氏が、その日記の世界を余すところなく語った本書は、啄木の日記を本格的に論じた初めての本であるという意味においても、記念すべき一冊といえる。

  [評・山下多恵子(国際啄木学会理事・「北方文学」同人)]
(2011-04-10 新潟日報>にいがたの一冊)

『啄木日記を読む』