〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

啄木歌碑建立1年、三枝さんが講演 高知


[ヤマボウシ]


石川啄木:短歌を「働き人の暮らしの歌」に変えた

  • 石川啄木の父一禎が高知で晩年を過ごした縁で、JR高知駅前に父子の歌碑が建立されて1年になるのを記念して、三枝昂之さんが「現代に生きる啄木」と題して講演した。
  • 三枝さんは「体温に最も近い詩型が短歌」と前置き。明治30年代に主流だった、高温40度にもなる恋愛中心の若者の歌から、平温36度の「働き人の歌」に変えたのが啄木と紹介。
  • 今、W杯サッカーや高齢者不明問題などが短歌の題材になっているが、「自分の暮らしの折々を自然に歌にするようになったのは、歌集『一握の砂』が発端」と話し、「啄木は近代100年の歌のベース」と結論付けた。【大澤重人】

(2010-09-05 毎日新聞>地域ニュース>高知)