〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「歌う記者 石川啄木」朝日新聞連載-16

フッキソウ(富貴草)】              

  友も、妻も、かなしと思ふらし──
   病みても猶、
   革命のこと口に絶たねば。

              石川啄木
 

連載-16
「歌う記者 石川啄木 --朝日新聞社の3年間」

  • 病気は、健康なときの夢想とは違って、責任を解除してはくれなかった。病気にはお金がかかったのである。
  • 頼りは、周囲からの見舞金だった。なんといっても朝日新聞の同僚からのカンパが大きな支えとなった。
  • 「佐藤(北江編集長)さんが、社の皆からの見舞金八十円持って来て下すった」「社の人々十七氏からの三十四円四十銭を佐藤氏が持って来て下すった」と日記に残る。

(2008-03-22 朝日新聞夕刊)