〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

’このミス’大賞「チーム・バチスタの栄光」

【新春 薦被り樽酒】


チーム・バチスタの栄光」(上)(下)

大学医学部付属病院では、心臓「バチスタ手術」の成功が続いていた。ところが、術中死が発生する。不定愁訴外来責任者(ヒーロー)が内部調査を押し付けられた。さらに厚生労働省の「オドロキ役人」も来て……。
「(著者は)現役の医師として多忙を極める病院勤務の傍らの執筆活動だから……」と、解説にある。医局政治や人間関係をめぐる人物が魅力的に描かれている。
「オドロキ役人」が取り出す「たまごっち」の絶妙な登場には、のけぞってしまった。
心を病む人が多い今、臓器移植にも課題がある今、話の展開につられミステリーの罠にハマりながら先へ先へと読んだ。
『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、2月には映画が公開になる。