〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「石川家の謎と啄木短歌の真実性」講演会開かれる

【日だまりのベンチ】


講演 文学の夕べ 
「石川家の謎と啄木短歌の真実性」

2007年11月13日、函館市文学館にて長江隆一氏(八雲啄木会会長)を講師として講演会が開かれた。


  • 石川家には謎が多いと言われる。
  • 
啄木の父、石川一禎の出生が謎めいている。一禎は石川与左衛門とその妻エツとの子とされているが、実際はエツが与左衛門と再婚する前、先夫の亀井峯諄(かめいほうじゅん)との間に授かった子供であると私は思っている。
  • 偶然ではあるが不思議なこととして、啄木が亡くなった前日に函館で大火が起きた。妻節子の亡くなった日の前日も函館で大火があった。
  • 啄木短歌の内容が事実と異なると思われるものがいくつかある。「わがあとを追い来て……」「たはむれに母を背負いて……」など。
啄木は、真実性にこだわりすぎるよりも、フィクションをまじえて歌の効果を上げたのだろう。

(2007-12-05 北海道新聞