〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

北原白秋も住んだ…「家のロマンス」

【ブルーベリー】


「家のロマンス」

五代にわたる家族のそれぞれを、戦前、戦中、戦後と長い目線で描く。ひとつの家に、少ないときは3人、多いときは20人ほどの人々が暮らしていた。

和洋折衷の西洋館には蔦が這い、500坪ほどの庭には、梅、桃、桜、椿などの花木が咲く。前住者は詩人・北原白秋、作中に登場する「女優の叔母」は、加藤治子さんらしい。
この本の主人公は、「人」ではなく「家」だ。

しかし、ヒーロー(ヒロイン?)が「家」といっても、結局のところそれは空気のような「在り方」になり、やがて、生きている人の心中に存在することになる。

北原白秋が住んだ500坪の庭を持つ家は、とっても魅力的だ。設計図が見たい!