【四葉のクローバー】
「憑神」
- 浅田 次郎 著 新潮社文庫
- 2007年 514円
幕末の江戸、貧乏御家人の次男が主人公。小さな祠にお参りをしたら、それは貧乏神だったという話から始まる。
貧乏神・疫病神・死神、蕎麦屋のオヤジ、元の部下、勝海舟・・・と多彩に登場する。なかでも、濃い彩りは主人公の兄である。「物事の道理を主張することができずに、長い物には巻かれてしまう。そのうえ、過ちを素直に認めようとはせず、理屈を捏ねて他人のせいにする」と評される。なにやら自分を見るような恐ろしさがある。
「命に限りがあるからこそ………」(………は、読んでのお楽しみ)
どう生きるか、何が幸せか、人間とはなんだろう・・・と考えながら読み、『人って、スゴイ!』と一気に週章まで突っ走った。