〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

最後の日記「日記をのぞく」-啄木日記-6

【啄木終焉の地碑・東京都文京区】


日記をのぞく
 石川啄木「啄木日記」6 日経新聞連載

2007-04-08

5 闘病生活の苦しさにじむ

  • 「新聞によると、三十一日に始めた市内電車の車掌、運転士のストライキが昨日まで続いて、元日の市中はまるで電車の影を見なかつたといふ事である」(1912年〔明治45〕1月2日)
  • 「国民が、団結すれば勝つといふ事、多数は力なりといふ事を知つて来るのは、オオルド・ニツポンの眼からは無論危険極まる事と見えるに違ひない」(1912年〔明治45〕1月3日)
  • 「日記をつけなかつた事十二日に及んだ。その間私は毎日熱のために苦しめられてゐた。(略)母の容態は昨今少し可いやうに見える。然し食慾は減じた」(1912年〔明治45〕2月20日
  • 啄木の最後の日記となる「千九百十二年日記」は、こう終わっている。

(「啄木日記」の項 おわり)


2007-04-08 日本経済新聞 SUNDAY NIKKEI α)