〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

文語か口語か「啄木から」 花山多佳子

文語か口語か
  その元祖たる明治の石川啄木の歌

文語か口語か
「啄木から」 花山多佳子

  • 文語と口語は、明治以来、散文でも、とりわけ短歌では多かれ少なかれ混じり合い、混乱しつづけてきたと言っていいだろう。
  • 平成18年度NHK全国短歌大会での受賞作品をたまたま見ていたのだが、いずれも文語、口語が一首の中で自然にまじり合っていることに時代を感じた。
  • 口語化や混用への動きというのは、前にも言ったように、明治以来、何度も繰り返されてきている。……その元祖たる明治の石川啄木の歌は、今でも参考になる。

   白き蓮沼に咲くごとく
   かなしみが
   酔ひのあひだにはつきりと浮く


雑誌「短歌」平成19年4月号 角川学芸出版