「オシムの言葉-フィールドの向こうに人生が見える 」
7月21日にサッカー日本代表監督に正式に就任した、イビツァ・オシム。
「ライオンに追われたウサギが逃げ出す時に、肉離れをしますか? 準備が足らないのです」
びっくりして何度も読んで・・・納得した。
「オシムとウイスキーを酌み交わして飲んだとしよう。朝まで話題はサッカーだけだ。頭の中にはサッカーしかないのだ」と、コバチェビッチに評される。
でも、本人は「人生においてはサッカーよりも大切なものがたくさんある」とも言っている。
サラエボに生まれ、祖国分裂のため家族がバラバラになった。オシムは夫人とアマチュア無線で、連絡を取り合った。それも直接声をかわすわけではなく、何人もの人間が、間に入って『こう言っている』『こう答えました』というそんなコミュニケーションだった。
「練習でできなかったことがゲームで出来るようになるはずがない。人生も同じ。日々の生活でのことが重要なときに必ず出てしまうもの」
「言葉」というものは確かに独立して存在する。大切なのは「言葉」そのものよりも、それを「誰が言ったか」だろうと思う。オシムは、彼の人生から汲み出した「言霊」を教えてくれている。