〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

石川啄木「死んだら日記は焼くように」と遺言


[サクランボ]


<金口木舌>日記の日

  • もうすぐ1年の折り返し。年頭に立てた誓いや抱負を忘れるころだ。三日坊主の代表格と言えば日記だろう。多くの方が挫折経験をお持ちではないか。
  • 評論家の秋山ちえ子さんは小学3年生から毎日書いていたが、6年生でやめた。弟がみんなに見せてしまったからだ。“いい子”だったため、日記が本音を吐ける場で、悪口や好き嫌いも書いていた。
  • 人に見せないというのが前提なだけに、公になると困ることもある。石川啄木樋口一葉も「死んだら日記は焼くように」と遺言していた。
  • 対照的なのが「私の望みは、死んでからもなお生き続けること」と書いたアンネ・フランクだ。隠れ家での生活をつづった世界一有名な日記からは、ナチズムの恐怖が少女の目を通して伝わってくる。願い通り、人々の心の中に生き続け、世界記憶遺産にもなった。

(2015-06-12 琉球新報

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変化するビジネスマンの生活時間 <はたらけど はたらけど猶…>

  • きょう10日は「時の記念日」。シチズンホールディングスは、これにちなんで、「ビジネスマンの生活時間」に関するアンケート調査の結果を発表した。これが、なかなか面白い。
  • <勤務時間、この35年間で最短><遅い帰宅時間の定義は午後9時><"午前様"は死語><接待ゴルフは「今は昔」>
  • 勤務時間が減っても収入が減らないなら、それに越したことはない。啄木の「我を愛する歌」の中にこんな歌がある。<はたらけど はたらけど猶わが生活(くらし)楽にならざり ぢつと手を見る> 時代も変われば変わるもの。<明治は遠くなりにけり>そんな思い深まる調査結果である。

(2015-06-10 化学工業日報)

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