森鷗外あて、漱石・啄木・与謝野晶子から書簡 約400点見つかる
- 今年で没後100年になる文豪、森鷗外(1862~1922)あての書簡約400点が、まとまった形で見つかった。出身地の島根県津和野町にある町立森鷗外記念館が4日発表した。差出人は夏目漱石や与謝野晶子、石川啄木、岡倉天心ら、明治・大正期に活躍したそうそうたる面々。鷗外の交友関係の幅広さを物語る貴重な発見という。
- 鷗外の娘婿で仏文学者だった山田珠樹(たまき)さん(1893~1943)らが保存していたのを遺族が見つけた。少なくとも60人以上から送られた書簡だという。
- 書簡から1896~1922年の日付が確認できたが、日付のないものも多い。60歳で亡くなるまで30年間過ごした東京の旧宅(現在の東京都文京区立森鷗外記念館)宛てが中心という。
- 現在、漱石や啄木らからの書簡は専門家が調査中だが、内容がはっきりしたものの中から4点を選び、実物を報道陣に公開した。
夏目漱石の妻、鏡子からの書簡
与謝野晶子からの書簡
西園寺公望からの書簡
樋口一葉の妹、樋口くにからの書簡
- 同記念館は年度内に翻刻(活字化)の作業を終え、内容や背景を分析、精査したうえで、記念館の開館30周年にあたる2025年に成果を書簡集として出版する予定という。(北村哲朗)
(2022-08-04 朝日新聞)
森鷗外あて、漱石・啄木・与謝野晶子から書簡 約400点見つかる:朝日新聞デジタル