パンダ、アメ横、上京の駅…“特別な駅”「上野」には今、何がある?
鼠入 昌史
- 中央改札のまっすぐ先には、地上の櫛形ホームが控えているのだ。かつては13番線から20番線まであるような広大な地上ホームで、北国を目指す夜行列車がここから発車していた。年末やお盆の帰省シーズンには、上野駅を取り囲むように列車待ちの人たちのためのテント村ができたという。
- いまでもそのホームには石川啄木の詠んだ「ふるさとの 訛なつかし 停車場の 人ごみの中に そを 聴きにゆく」の碑が建つ。啄木の時代は集団就職よりもずっと前だが、上野駅は開業以来、東北から東京に出てきた人にとってふるさとへの入口だったのだ。
(2022-04-25 文春オンライン)
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