〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

東大在学中 啄木の足跡を追う旅を描いた 外岡秀俊さん旅立つ

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オオアマナ

天声人語)記者として作家として

  • この欄に私的な感懐はなじまないと心得ているつもりだが、節を曲げても追悼の一文を捧げたい先輩記者がひとりある。外岡秀俊さん。68歳で急逝との報に、わが身を打たれるような痛みを覚えた。
  • 初めてその文章に接したのは小説『北帰行』。東大在学中、石川啄木の足跡を追う旅を描き、新鋭作家に贈られる文芸賞を受ける。
  • 編集幹部に就くと、戦時下における新聞の責任を論じた。「近ごろ『国』を主語や目的語にした記事が多い。国とは官邸か省庁か、省庁なら何省か。明確にすべきだ」。惰性に潜む危うさを見逃さなかった。
  • 2011年に退社後は、中原清一郎名でSFやミステリーを相次ぎ刊行した。豊富な取材経験を今度は小説にいかした。記者としても作家としても早すぎる旅立ちが無念でならない。
    (2022-01-09 朝日新聞

 

(天声人語)記者として作家として:朝日新聞デジタル