〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

〈俳壇の石川啄木〉と評価される“富田木歩”の生涯

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サルスベリ

2021.9.1みすず野

  • 朝の空気がちょっとひんやり。松本第一高校のそばを通ると、街路樹サルスベリの紅が鮮やかだった。薄いピンクというか白っぽい花を付けた木もある。月が替わった。
  • 俳人・富田木歩の生涯を描いた小説2編、図書館で借りて読んだ。大正12(1923)年9月1日の関東大震災で焼死している。26歳。赤ん坊の時に高熱がもとで歩けない体となった。不自由さと貧しい生活から生まれた十七文字は〈俳壇の石川啄木〉と評価される。ちなみに啄木とは本名の一も享年も同じ。
  • 周りで支える友人らは、啄木をこそ〈歌壇の木歩〉だと言わしめようと励ました。小説だからどこまで事実か分からないけれど、かなわぬ恋も切ない。

(2021-09-01 市民タイムスWEB 松本・安曇野塩尻・木曽 信州の地域紙)

 

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