〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

〈啄木の詠みしもろこし焼きにけり〉加藤三七子

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サクランボ

きょうの潮流

  • 炎天下、市民農園で借りているわが家の畑は収穫真っ盛りです。夏野菜の王様といえばトマト。真っ赤に熟した大ぶりの実は、見ているだけで食欲をそそります。〈子が捥(も)いで太陽いっぱいになる蕃茄(トマト)〉細井啓司。
  • 夏の句といえば、こんな怖い句もあります。〈Kという男許さず夏燃ゆる〉。作者は俳優の冨士眞奈美さん。いったい何があったのか、想像を刺激されます。本紙日曜版では冨士さんの「俳句と遊ぶ」が始まりました。昨年の2度の連載が好評につき、3度目の登場です。再開冒頭に冨士さんが選んだのは〈戦わず別れし夏の縁(えにし)かな〉。91歳、札幌の岡野哲さんの句です。
  • うちの畑ではトウモロコシもいまが旬。とって1日で甘みが半減するので、採れたての味は格別です。ひと足早い秋の味覚です。〈啄木の詠みしもろこし焼きにけり〉加藤三七子(みなこ)

(2021-08-05 しんぶん赤旗

 

きょうの潮流 2021年8月5日(木)