相性【7月30日付編集日記】
- 古里の岩手・渋民村を繰り返し歌にした石川啄木は、短い人生の間に各地を転々とした放浪の人だった。北海道では新聞社などに勤めたものの、長続きしなかった。ただ、4カ月ほど過ごした小樽の地はだいぶ気に入っていたらしい。
- 「かなしきは小樽の町よ歌うことなき人人の声の荒さよ」の一首は文化を解さない人たちへの失望の歌とも読めるが、本人はほめたつもりだった。当時の随筆をみると小樽で暮らす人々の生命力をたたえる言葉が並んでいる。
(2021-07-30 福島民友新聞)
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