岩手経済研究 2021年2月号
[巻頭言]
啄木からのメッセージ
石川啄木記念館館長 森 義 真
はじめに
- 今年(2021年)は郷土の先人・石川啄木が亡くなって109年になる。啄木の作品は作られてから100年以上も経つが、今でも新聞の一面コラムなどに、短歌や評論の一節が引用されて、現代の世相について、コラム子の見解が述べられることが多い。そうしたことは、いわゆる三大紙のみならず、経済紙や地方紙でも時折り見受けられる。
- 例えば、「はたらけどはたらけど猶(なお)わがくらし楽にならざりぢつと手を見る」という短歌を糸口に、現代の若者に多い非正規労働による貧困、ワーキング・プアの現状を分析し、それを打破するための提案がなされたりする。
- この他にも、啄木からのメッセージがコラムなどに反映される例は多く、啄木の場合には短歌や評論の他にも、詩、小説、日記、手紙などからの引用例がある。この稿では、エッセイ「一握の砂」からのメッセージを3件、述べたい。
「高きを見給へ」
「爾の立つ所を深く掘れ」
「林中の譚(たん)」
*詳細は下のリンクへ
(2021-03-02 keizai report.com)
https://www.iwatekeizai.org/files/research/2021/kantou_202102.pdf