〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

新年のご挨拶

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明けましておめでとうございます

 「啄木の息」をお読みくださいまして、ありがとうございます

 皆さまのお陰で、20年間書き続けることができています

 

 それでは、114年前(1907年・明治40年)の石川啄木家のお正月を覗いて見ます。

 

明治四十丁未歳日誌

             石川啄木
  睦月  ─ 渋民村 ─

一月一日(四方拝 ─ 火曜日)

 早朝雪。好晴。寒威弛む。
 遂に丁未の歳は来りぬ。人一人の父と呼ばるる身となりての初めての新年、我が二十二歳の第一日は乃ち今日なり。
 父一禎、五十八歳。母かつ子、六十一歳。妻せつ子、二十二歳。妹みつ子、二十歳。子京子、生後四日。
 大晦日の夜は、さまざまの思出と、例の独逸語とに時の移るを忘れて、鶏なく頃枕につきしが、夢を見ず、今朝は例になくいと早く目さめたり。元旦ぞと思ふ心映のためなるべし。我が戦ひよ勇ましかれ、我が一家の上に祝福あれ、わけても生れし京子の上に幸多かれ、など、霎時枕の上にて打念じて、心甚だ健やかなるを覚えぬ。

 (石川啄木全集 第五巻 筑摩書房 1986)

 
 22歳のパパ♪

 日記はこの後、年頭の廻礼、朝食、まだ見ぬ我が児(妻節子の実家にて出産したため)、学校の式典、・・・夜の歌留多会と続き、2300字を超えます。

 元旦からこのような文学作品を書く啄木さんは、ものすごい働き者です。

 

 「継続は力なり」を信じて今年も「啄木の息」を続けてまいります

 どうぞよろしくお願いします

 

 いつにも増して大変な時代

 皆さまのご健康とご多幸をお祈りします

 

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マンリョウ