〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「でくっこつば、でくっしこ」生まれた土地の言葉に力をもらう

f:id:takuboku_no_iki:20200922164653j:plain

コスタス・スペキオスス


風向計  社説・コラム

「でくっこつば」の力 岩本誠也

  • 東京・上野駅前の広場に「あゝ上野駅」の歌碑が立つ。東京五輪があった1964年の井沢八郎さんの大ヒット曲。中学を出て集団就職列車で上京し、高度経済成長を支えた「金の卵」への応援歌として長く歌い継がれる。

<ふるさとの訛(なまり)なつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく>

  • 100年以上前に詠まれた石川啄木の歌碑も上野駅構内にある。生まれ育った土地の言葉に古里を思い、力をもらう。誰しも同じだろう。
  • 熊本県南部を襲った7月の豪雨の後、ラジオから懐かしい言葉が流れてきた。「でくっこつば、でくっしこ」。自分のできることをできる範囲で、という意味の熊本弁。被災地支援に取り組むグループの合言葉だという。
  • このグループは「熊本弁ネイティブの会」。愛する熊本弁だけで話す飲み会を東京で開こうと2012年5月に10人で発足した。フェイスブック(FB)で輪が広がり、会員は2800人を超えた。
  • 会長の平野洋一郎さん「古里への恩返しはいっちょん足らん」。熱い熊本弁が心地いい。 (論説委員

(2020-09-22 西日本新聞

 

「でくっこつば」の力 岩本誠也|【西日本新聞ニュース】