〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

啄木はトレンドリーダー&インフルエンサーだった…?

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マユミ

[アサコレ!コラム] 九州朝日放送

石川啄木の“実態”はこうだった!? ~初恋~

「はたらけどはたらけど 猶(なほ)わが生活(くらし)楽にならざり ぢつと手を見る…」といえば石川啄木

  • この短歌からは清貧な印象を受けますが、そんな啄木をうそつきで見えっ張り、酒飲みで女好きの歌人として描いている作品があったんです。そのタイトルは「啄木鳥探偵處(きつつきたんていどころ)」。
  • 当時の日本の文学界は最先端のポップカルチャーであり、活躍する文士たちは新聞にゴシップが書き立てられる今の芸能人に近い存在でした。本当に「清貧の歌人なんて嘘(うそ)っぱち、啄木は女好きで借金ばかりしていたダメ人間だった!」という評価が残っている一方で、それ自体が、実は意図的な自己演出だった可能性があるんです。
  • 歌人の山田航(やまだ・わたる)さんによれば「兄貴肌の部分をおくびにも出さず、啄木は“わがままで自分勝手な男”を演じていたのです。彼は高尚な文学者ではなく“芸人”のような存在だったので、そのダメ人間ぶりをあげつらうほど彼の思うつぼだった。明治時代の文士はトレンドリーダーであり、インフルエンサーだった…」と語ります。

(2020-09-16 九州朝日放送

 

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