〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

「ふるさとの土をわが踏めば/何がなしに足軽くなり/心重れり」啄木

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ブルビネ・フルテッセンス

春秋

  • 石川啄木が故郷の岩手山を詠んだという。「ふるさとの山に向ひて/言ふことなし/ふるさとの山はありがたきかな」。この夏、帰省して肉親や旧友らとの再会を待ちのぞんでいた方も多いであろう。ところが、新型コロナの影響で、例年とは様相が一変してしまった。
  • 地元での感染の広がりを恐れ、各地の知事から里帰りへの注文が相次いでいる。国はといえば、コロナ対策を担当する大臣が「慎重に考えて」と。官房長官は旅行・観光業界への配慮からか、人の移動の自粛には慎重なのだと伝えられている。
  • 「ふるさとの土をわが踏めば/何がなしに足軽(かろ)くなり/心重(おも)れり」。啄木はさまざまな事情から、郷里への思いは複雑だったようだ。

(2020-08-05 日本経済新聞

 

石川啄木が故郷の岩手山を詠んだという。「ふるさとの山に向ひて/言ふことなし/ふるさとの山はありがたきかな」。この夏、帰省 :日本経済新聞