【三山春秋】春になると上毛新聞に自治体や…
- 春になると上毛新聞に自治体や企業などの人事異動が掲載される。新たな配属先と前職、氏名が記されるだけだが、サラリーマンにとっては一大事。文字の向こうに栄転の喜びもあれば、悔し涙もあることだろう。
- 仕事に疲れたり、辞めたくなった時、心にしみるのは石川啄木の短歌。〈気の変る人に仕へて/つくづくと/わが世がいやになりにけるかな〉。昔も今も我慢することの多いのが仕事である。
- 啄木は1886(明治19)年、住職の子として岩手県に生まれた。神童と言われ、盛岡中学時代から文芸誌「明星」に投稿。詩作にも熱中した。つまずきは父親が住職を解任され、自身の結婚と同時に一家の生活を背負ったこと。
(2020-04-12 上毛新聞)