〖 啄木の息 〗

石川啄木の魅力を追い 息づかいに触れてみたい

初めて啄木短歌を英訳したのは→小樽で育った女性

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世界は啄木短歌をどう受容したか
  池田功 編 桜出版

 

 ブックレビュー

はたらけど/はたらけど猶わが生活【くらし】楽にならざり/ぢつと手を見る
           石川啄木

  • 世界で、石川啄木の短歌が受容されているという。英語はじめ、中国語、韓国語、インドネシア語、ドイツ語やロシア語などにも翻訳され、研究論文も書かれている。
  • 英語圏では10冊以上の翻訳書が出版されているが、初めて啄木短歌を英訳したのは、小樽で育った女性であった。
  • 坂西志保、1896年(明治29年)生まれ。少女期を小樽近郊で過ごし、東京女子大を中退後にアメリカに留学。哲学博士の学位を取得し、大学で教鞭をとっていたが、1930年にアメリカ議会図書館の職を得た。日本文化に関する資料の収集などにあたっていたという。
  • 34年に、坂西志保が啄木短歌140首近くと詩を英訳した本が出版され、「TAKUBOKU」は英語圏で知られることとなった。その坂西について、盛岡大教授の照井悦幸が興味深い話を紹介している。
  • 日米関係の修復に啄木の歌が一役買っていたとは驚きだが、「ぢつと手を見る」労働者の連帯は世界を動かす力かもしれない。

(2020年2月23日掲載 田中綾さんのレビュー)

 

『世界は啄木短歌をどう受容したか』のレビュー 池田功 (田中綾さん) - ブクログ

 

『世界は啄木短歌TANKAをどう受容したか』

  池田功 編 桜出版
  2019年10月13日発行 1800円+税

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